Mar 26, 2010

memories of 羊蹄






昔むかし、真狩から見た夏の羊蹄には心打たれたなぁ。

2010年2月22日、その羊蹄山を滑ることが出来た。「滑る」というよりは「滑らせて貰う」といった表現の方がふさわしいかも、そんな山に感じた。

滑る機会は突如訪れた。1週間ほど犬猫に滞在していたフレンチ4人のうちカートとキャスパーというスキーヤー2人が、いよいよ明日ニセコを離れるって段階になって、最後に羊蹄登るぞ~!なんて言い出した。

その頃は特に新雪に恵まれていた、というわけでもなく、むしろ雪よどこ行った~~!?という雰囲気で、そして天気も曇りが続いていた。

そんな状況なんてお構い無し。前夜のミーティング、ウォッカ好きのフレンチは、行かない理由がどこにある?位の勢いで盛り上がっていた(いつも何かと盛り上がっていたけど)。まぁ確かに行かない理由はない。雪も時間もある。ミーティングは夜2時か3時まで続いただろうか。結局メンバーはカートとキャスパーと魚沼ライダーのチカちゃん、そして自分の4人。

朝はさくっと起床。ただ少しゆっくりしすぎて9:30出発の10:30登り始め。標高350mからピークまでおよそ1600mアップ、5時間の道のりだから、どう考えても遅い出発・・。







天気は良くもなく悪くもなく。雪は、良い!意外にも良い。安心した。ぐんぐん標高を稼ぐ。13:50、標高1650m。ピークまであと30か1時?、頑張れば行けるか!というところでギブアップ。ここまでつぼ足で登ってきたフレンチ2人だけど(まずそもそもつぼ足ってどうなのよ!)、雪が薄くなってブッシュ上の雪を踏み抜くようになって思うように進まない。スノーシューの2人にしろ、似たような状況だった。







ただ登るのをやめたフレンチが次に口にした言葉は、「よし!向こうのナイスな沢までブッシュ超えのトラバース!!」。え?という感じ。トラバースに弱いスノーシューを横目にカートはさっさとスキーに履き替え行ってしまった。スノーシュートラバースはちょっと危険なので、こちらもボードに履き替え後を追う。





30分かけたどり着いた沢は巨大だった。そしてパーフェクトなフラットバーン。フレンチのナビゲーションは的確だった。
滑りだす前、少し緊張した。斜面に対する緊張ではなく、山に対する緊張?
カート、キャスパーはあっという間に豆粒大の小ささに消え去り、チカちゃんもいい滑り。









次は自分の番だ。滑るぞ!っと気合いと共にドロップイン。ワンターン、ツーターンと、足裏で雪との会話。・・おおっこれは良い!確かな雪質。思い通りの滑りが出来そうな雪だった。

そう思うとぐんぐんスピードが上がる。かなりの速度なだけに、次の進路を躊躇している時間はない。

沢地形なので両側は多少せりあがり壁となっている。大した壁でも無いのにこのスピードで突っ込んで大丈夫だろうか?という不安がよぎった。でも次の瞬間ノーズは躊躇なく沢の壁に向かっていた。足裏センサーの感度を最大にする。雪質、ちょっと固いか!?でも大丈夫!エッジへの加重を保て!自分を信じて!

なんとか切り抜けた。その後も全速のままボトムまで一気に滑り抜けた。

素晴らしい1本だった。無事滑り降りれたことと一緒に滑ってくれた3人に感謝。いつの日かまた滑りたい。







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